忍者ブログ
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今年も各界から訃報が届きました。小田実さんと稲尾和久さんについてはマガ9でも触れましたが、作家の城山三郎さん、歌手の坂井泉水さんにも、もっと書いて、もっと歌ってほしかった。

クレージーキャッツの植木等さんが亡くなったのは3月27日でした。享年80歳。

むかしは年が明け、ゆく年くる年が終わると、民放テレビで日本の喜劇映画がよく放映されていました。「男はつらいよ」とか、もっと古いものだと「喜劇駅前旅館」とか。大晦日だけは夜更かしを許された子供の私には、新年の楽しみのひとつでした。

笑いの好みが古いのは、若き渥美清や森繁久弥に影響を受けたせいかもしれません。ただ、ある年に放映された「ニッポン無責任時代」には驚かされました。

ポマードで髪を固めた2枚目の男性が、がははははと笑って、街中を歌い踊っているのです。

こういうことするのは、「ウエストサイド物語」の不良のお兄さんや「サウンド・オブ・ミュージック」のきれいな先生なのに、なんだ、この人は

主人公の名前は「平 均」(たいら ひとし)。演じる植木等とは同名でも字が違う。植木の方は「平 等」の「等」。お父さんの植木徹誠さんが名づけました。

キリスト教の洗礼を受けた後、社会主義者として労働運動に参加。さらには浄土真宗の僧侶になって部落解放運動にも関わり、治安維持法で何度も入獄。徹誠さんは戦時中、出征する若者に対して「なるべく弾の飛んでこないところにいて、必ず生きて帰ってきなさい」と言ったそうです。それでまた捕まりました(植木等著『夢を食い続けた男』より)。

また、戦後、息子の等が「スーダラ節」を「こんないい加減な歌を歌っていいのだろうか」と悩んでいたとき、「“わかっちゃいるけど、やめられない”。これは人間の弱さ、親鸞上人の教えを説いたような言葉だ」と言って、歌うことを勧めたといいます。

植木等は真面目な人だったそうです。「ちょっと一杯の♪」と歌っていましたが、本人は下戸でした。

この前、クレージーキャッツのベストアルバムを久しぶりに聞いたら、モダンジャズ風の演奏に尺八が挿入されている曲がありました。実に多彩な音の上に、青島幸男のすっとぼけた歌詞がのっかっていたのです。

そーのうち何とか、なーるだーろおお♪

植木等の声はどこか達観しているところがある。父、徹誠さんの血でしょうか? その能天気さは、日本の高度成長時代でこそ生まれえたのでしょうが、覚悟を決め、腹をくくった人の言葉のようにも聞こえて、なんだか元気が出たのでした。

皆さん、よいお年を。
PR
Comment※コメントは承認制とさせていただいてます。
お名前:
URL:
メール:
文字色:
タイトル:
コメント:
パス:
Trackback
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
AboutUs
マガジン9条編集部
magazine9
ここは「マガジン9条」のブログです。「マガジン9条」とは、05年の3月に立ち上がった週刊のウェブマガジン。「憲法9条」のことを中心にさまざまな記事を掲載しています。このブログは、その「マガ9」の編集に関わるスタッフたちよって綴られる日々のあれやこれやです。「マガ9」の更新情報や、編集からこぼれてしまった情報などもこちらで紹介していきます。
●スタッフ紹介・・・・
水島さつき)
編集作業と事務局の仕事、それから週一のメルマガ担当。時々、「この人に聞きたい」インタビューや対談、ルポなどもやってます。年齢は秘密です。趣味は、猫を可愛がること。
コルヴィッツ)
「世界から見た今のニッポン」へのコラムを集めるべく、友人知人関係を越えて、ネットの海を遊泳しています。気分転換にやるのは、深夜にロックをヘッドフォンで聴いて踊ること(もちろん誰も見てないところで)。
想起来)
(シャンチーライと読んでください。中国語で「思いつく」)「マガジン9条」創刊以来の関わりですが、今は特に担当はありません。関心があるのは、肩こり、眼精疲労、腰痛をどう治すか。北京五輪に行くかどうか、迷ってます。好きな食べ物は、りんごとおせんべい。
アンドレ)
2m近い身長に120キロの体重をもち、どこからどう見ても体育会系、が、まったく運動をしたことがないオタク中年サラリーマン35歳。埼玉県在住。マガ9のアクセス向上主任。好みのタイプは音無響子。
図案チーム)
デザイン、イラストを担当の4人チーム。マガ9のページデザインには、読みやすさ、明るさ、ばかばかしさ、正直さ、テキトーさを心がけています。
「マガ9」の本
「マガジン9条」に連載されていた記事から6冊の本が生まれました。※アマゾンにリンクしています。






広告:忍者ブログ、[PR]