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正月は香川県の実家に帰っていました。

帰省の際は、いつも自動車で近くの荘内(しょうない)半島を一周します。上の写真は半島に立つ紫雲出山の頂上から撮った瀬戸内海です。空気が澄んでいると反対側の岡山県が見えます。

聞こえるのは遠い汽笛と鳥の声くらい。時間の流れがゆるやかに感じられる、私の好きな場所ですが、いざ半島を出て、国道や県道を走ると、沿道は「ファスト風土」化していました。

これは消費社会研究家の三浦展氏が生み出した造語(「ファスト風土化する日本」洋泉社新書)です。ジャスコに代表されるような全国に展開する大型ショッピングモールや紳士服、家電製品の量販店など、派手な看板が並ぶ。地方の人々の生活が自動車中心になった結果、風景がどこへ行っても同じようになってしまったことを、どこへ行っても同じ味の「ファストフード」になぞらえた言葉です。

実家近くの国道にも靴の卸売り販売店や100円ショップなどが並び、元旦から営業しているパチンコ店の駐車場には消費者金融のATMが設置されていました。

三浦氏はファスト風土化の問題のひとつとして、消費を目的とした建物ばかりが目立ち、労働する人々の姿がますます見えにくくなっている点を挙げています。

が、そんななか、沿道に点在するうどん屋さんは別でした。チェーン店はほとんどなく、大きな構えから、プレハブまで、店の数だけ味がある(「うどん」といっても結構違います)。多岐にわたっているのです。

下の写真は、実家から歩いて15分のところにある、ちいさな平屋建ての「つるいち」というお店のかけうどんとおでん(ごぼう巻きと大根)。味噌ダレをつけて食べるおでんは、白だしのうどんととても合う。ちなみにかけうどんは190円、おでんは各80円、しめて350円。これで十分、満足感を味わえます。
「つるいち」では60代らしき夫婦と、若い息子さんが切り盛りしていました。間断なく来るお客さんのためにうどんを温め、食べ終わった食器を洗う動きは止まることがありません。その働きぶりに頭が下がりました。

俺も「つるいち」を見習おう――そう思って故郷を後にした次第です。
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