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毎週水曜更新の『マガジン9条』です。
今週末には、自民党の提出した
「給油新法」が再可決、されるんだって!
昨年末、民主党の対案が出されたのに、
国会で議論、審議をすることもなく、
(メディアで話題になることもなく)
自衛隊をまたもや派兵?
そしてやっぱり出てきた「恒久法」
なんのこっちゃ・・・
と、正月気分がいっきに吹き飛び、
不機嫌な水島さつきが、
今年最初の更新のお知らせにやってきました。

さて、今週の「マガジン9条」は、
「この人に聞きたい」新年第一弾は、
今年キーパーソンになること間違いなしのこの人!
東京・高円寺のリサイクルショップ
「素人の乱」店主の松本哉さんです。
昨年の杉並区議選で大暴れ、
数々のデモやイベントでも
世の中を騒がせてきた松本さんの、
いろんな「主張」を伺いました。

年をまたいでお送りしています
伊藤真さん×小林節さんによる大型対談は第2回へ。
テーマはずばり「9条はどうあるべきなのか?」。
集団的自衛権について、
自衛隊の海外派遣と国際貢献について、
ふたりの意見は重なり合い、ぶつかり合います。

そして新連載も登場。
「たぬき先生」こと
小児科医の毛利子来先生による
エッセイ「狸穴から」です。
ユニークな視点から飛び出す辛口のトークを、
どうぞお楽しみに!

おなじみ連載陣、「雨宮処凛がゆく!」は、
2008年第一号のオススメ本の話題から。
そして今年も様々なことの「粉砕」を誓う
雨宮さんです。

「やまねこムラだより」には、
辻村さん2008年の「初夢」話が届いています。
ムラの冬景色の写真もすてきです。

「デスク日誌」は、
「今年はいいことありそうな・・・?」。
皆さんの身辺ではどうでしょうか?

「マガ9レビュー」は、
自然と人間との関係について改めて考えさせられる1冊
「オオカミを放つ——
森・動物・人のよい関係を求めて」を取り上げます。

その他、「みんなのこえ」
「お知らせメモ」も更新しています。
それでは、今週もじっくりとお読みください!


(水島さつき)

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Comment※コメントは承認制とさせていただいてます。
無題
こちらでは松本さんたちの「お騒がせ」が非難を浴びています。マガ9としては松本さんらのこのパーティーとコメント欄の反応をどう思いますか?
http://urokogumo.exblog.jp/7819020/
ヨシノブ 2008/01/11(Fri)20:46:41 編集
伊藤真さん×小林節さんの対談の中にあった、シビリアン・コントロールについての私見を書きます。
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

さて、年末年始企画、伊藤真さん、小林節さんによるスペシャル対談には驚かされました。
去年の『みんなのこえ(115回)』に、「(伊藤塾長は)伊勢崎氏+小林教授と討論し、二人の賛同を勝ち取れば、かなりの説得力が証明されるだろう。」などと投稿したのですが、まさかこれが実現するとは思いませんでした。対談に伊勢崎氏のご出席がなかったのはちょっと残念ですが、この対談は文庫にしてより多くの人々に見せるべき内容だと思います。
特に私は小林先生のカゲキな発言には賛同するところも多く、大変楽しく読ませていただきました。
とはいえ、小林先生が伊藤塾長と二人で考えられたといわれる、「厳格なシビリアン・コントロール」には、多少異論があります。それに、私のような意見の持ち主も少なくないかと思われます。
ます、この「厳格なシビリアン・コントロール」が書かれた、『軍隊をきちんと管理するには』の内容を簡潔に書きますと、
1.軍人から政治家への職業変更の否定
2.幹部自衛官の任期制(最大10年)
3.政治将校の設置
となり、さらに、
4.対テロ部隊の設置と、テロの国際政治・外交的な手段による抑止政策
となるわけですが、4.はともかく(というより、私も賛成です)、1.から3.は果たして国内的に、そして対外的に政治的選択として良策であると看做されるかどうか疑問があります。

先ず、1.の「軍人から政治家への職業変更の否定」は、『みんなのこえ(第121回)』で木井雅巳さんと河馬園長さんが指摘したように、現在でも徴兵制を敷いている国の政治家や、イツハク・ラビン・イスラエル第5代首相、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー・元ドイツ大統領までを否定してしまい、日本国憲法第14条並びに第44条にも反する事になります。
さて、小林先生も伊藤塾長も、ヒゲの隊長こと佐藤正久参院議員をあまり評価されていないようですが、佐藤正久氏は『日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ~(2007年12月17日放送)』に出演し、以下のような事を語っておりました。
Ⅰ.(村上龍氏の「最後に犠牲になるのは、現場の自衛官だ」という言葉に対し)「現場を知らない評論家が“それいけドンドン”的なことを言うが、現場の人間が一番慎重。誰だって死にたくない、でも仕事をしないといけない。現場で結果を出すのは自衛隊員。」
Ⅱ.(村上龍氏の「“非戦闘地域”の定義は?」という問いかけに対し)「我々が非常に怖かったのは、誰が敵で誰が味方か分からない。(中略)だからそういう面で言うと、やっぱり信頼関係に勝る安全確保策はない。いかに武器を使わない戦いをやるか、一発も打たない戦いをやるかという思いだった。一発撃ってしまったら、一生懸命築き上げた信頼関係がパーになる。」
Ⅲ.「(街中を車で回っているとき)何かあったらすぐ撃てるように笑顔で手を振っていても、絶対脇は締めている。車を止めるとき、合い言葉は“直線直角3センチ以内”。ピシッとバンパーを並べ、バンパーの間隔が3センチ以内になるように全部(停車する)。それをみて他の国はびっくりする。こいつらすごいなと。“こいつら本当に規律正しく強そうな軍隊だな”と思われる。
Ⅳ.「今回、なんで(イラクで)成功出来たかというのは危ない所だったから。危機感があるから。危機感が無ければみんな必死にならない。今回は危機感があって何とかしないといけない。じゃないと半年後に無事に自分の家に帰れない。奥さんや子供に会えない、お父さんお母さんに会えないと思うとみんな必死になって考えて、自分達の文化を(「団体行動を基本とする組織体」・「調整型」から、「1人何役もこなし1人1人が考える機能体」・「アメーバー経営的発想」・「朝令暮改形」に)変えようという風になったと思う。」
Ⅴ.(村上龍氏の、「防衛庁幹部の不祥事をどう思うか?」という質問に対し、「怒りがある。“ふざけんな”って世界です。我々がサマワに行き、睡眠時間が2~3時間の連続で、必死になって“国益”を達成する為に動いていた。そういう時に、ゴルフに行ったり過剰接待を受けていた事が本当だったら、本当に“許せない”という気持ちがある。同時に今まで自衛隊が一生懸命築き上げた国民との信頼を失う事態になりかねない。そういう面では許せない。」
小林先生も伊藤塾長も佐藤氏を問題とされているのは、いわゆる「駆けつけ警護」発言だと思いますが、上の佐藤氏のインタビューを読む限り、一般人にも理解できる常識的なものであり、好き好んで軍事力の行使の機会を虎視眈々と狙っている人物には思えません。それに、その様な野心の為に、自衛隊員の命を鴻毛のような扱いをするようであれば、組織の長には立てないでしょう。
無論、佐藤氏の「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います。」との言葉通りの事になったのでしょう。結局、この「駆けつけ警護」発言は、「現在の自衛隊というのはその様な現場での二律背反的な選択を迫られる可能性が余りにも多く、それを日本国民全体で考え、何とか改善することは出来ないのだろうか。」という問いかけの為のものだったのではないのでしょうか。私は佐藤氏が参議院議員であっても問題は無いと思います。
以上の観点から私は、「日本国憲法第66条第二項に規定された以上のものを、“規制”として当てはめる事は問題が多い。自衛官は退職後には日本国憲法第22条第一項の“職業選択の自由”に従い、政治活動をしてもよい。その後は、その元自衛官の立候補者の資質と、国民の取捨選択に委ねられるべきである。」と考えます。

次に、2.の「幹部自衛官の任期制(最大10年)」についてですが。これはヒューマンファクターをあまりにも無視した発言だと思います。技術が発達したからこそ、それを扱う為の熟練度を要求されるわけで、その管理責任者が10年で退職する事になったら、システム管理の面で重大な支障を来たすでしょう。
また、前述の佐藤氏の発言にありました、“直線直角3センチ以内で相手を圧倒する”というような武器を直接的に見せずに武器を使わない戦いをするとき、これを実行するのはやはり熟達した管理者(幹部)の存在があって始めて成立する事でしょう。戦争は人間がするものである以上、ヒューマンの面を熟慮する事は必須です。
重要なのはその幹部が日本国の憲法並びに法体系に熟達し、それを基本とした職務遂行(前述の佐藤氏は結果としてサマワでそれを遂行した)ができるかが肝要であり、逆に任期制などを導入する事は意味が無いばかりか、自衛隊という組織の質的劣化に繋がりかねないと思います。

最後に、3.の「政治将校の設置」ですが、文民統制という観点からそれを設置する事はよいことだと思いますが、ただ歴史的にみて弊害も多く、諸外国の心象もあまりよくないと思いますので、慎重と熟慮が必要でしょう。

しかし、最も肝要なことは、我々日本国民が、「立憲民主主義とは何か」をきちんと討議し規定し、共通認識とすることではないでしょうか。
たとえば、http://www.gyouseinews.com/domestic/nov2001/002.html
に書かれていますように、憲法に対し慎重なのはむしろ幹部陸上自衛官のほうで、文民統制を扱うべき立場の国会議員が、「この臆病者!」と罵るという事態は、果たして立憲民主主義といえるのでしょうか。
また、憲法9条を重視するあまり、憲法前文の人権尊重を踏みにじる事でしか達成できないような理想を掲げ、その理想を他の日本人に押し付けるのは、果たして立憲民主主義といえるのでしょうか。

恐縮な話ですが、一昨年から私は伊藤塾長の意見に対し、かなりの批判や疑問を呈する投稿を書いておりました、しかし今回の塾長の「私は、9条の精神を生かすために、ひとまずこの9条を置いておいて、それ以外のところの議論、立憲主義を政治家にわかってもらうということも含めて、そうした議論を、もっとしてもいいんじゃないかというふうに考えるのです。」という主張には率直に賛同します。
しかし、小林先生の、「護憲派も改憲派もお互いに、醜いやつは醜い姿で土俵の上に出させちゃうべき」という言葉の通り、その実行に伴い、双方には苦痛が伴うことでしょう。
議論とは即ち、今回の私のような批判や疑問に答えていかなければなりませんし、場合によっては、その崇高な理想や精神の大部分を変化させなければならないかもしれません。
とはいえ、前述の佐藤氏がⅣ.で述べていたように、自らが率先して危機感をともなって議論に向き合えば、必ずやよい方向に進むと思いますし、私もそれを望んでおります。

十文字(衆愚代表) 2008/01/14(Mon)12:42:42 編集
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