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映画靖国記者会見
4月10日に、参議院議員会館で午後1時から行われた、
映画「靖国」をめぐる記者会見に出席しました。

さまざまな記者会見に出席しましたが、
こんなに多くの記者が集まった会見は、久しぶりでした。
50ほどの椅子はすぐに埋まり、あとの記者は立ったまま。
全部で100人は、優に超えていたと思います。
主催者側も、用意した入場券(議員会館なので必要)がなくなり、
大慌ての様子でした。
それだけ、関心が高かった証拠でしょう。

出席は、この映画の李纓監督、ほかに是枝裕和(映画監督)、石坂啓(漫画家)、田原総一郎(ジャーナリスト)、鈴木邦男(作家)、広河隆一(「DAYS JAPAN」編集長)、豊田直巳(フォトジャーナリスト)、斉藤貴男(作家)、坂本衛(ジャーナリスト)、野中章弘(ジャーナリスト)、篠田博之(「創」編集長)、原寿雄(ジャーナリスト)服部孝章(立教大学教授)
いや、そのメンバーのソウソウたること。
いかに、この問題についての危機感が強いか。
それを如実に表した会見だったのです。

このメンバーですから、ぎっしり2時間。
下手なシンポジウムよりも聞き応えのある話ばかりでした。
特に「すべて私のせいです」と謝罪した鈴木邦男氏。
「こんなことが許されるのか!」と声を荒げた斉藤貴男氏。
「もう、南京虐殺も従軍慰安婦も、漫画では発表できなくなった」
と語る石坂啓氏。

それにしても、こんな結果を招いた稲田朋美、有村治子両自民党議員の責任は、そうとうに重いと言わなければなりません。

最後に、体調により出席できなかった筑紫哲也さんのメッセージが読み上げられました。
ここに、採録しておきます。


映画「靖国」をめぐる抗議について
「鈍感」と「敏感」
     筑紫哲也(ジャーナリスト)

 戦前の検閲の歴史、チベット問題などをめぐる現今の国際情勢、そして「表現の自由」をめぐる世界的常識―あらゆる観点から照らしても、この国の国会議員たちは鈍感すぎて、彼らの好きな「国益」を著しく損なっているのが、今回の事件です。
 一方で、あまりにも他者の反応に敏感すぎて「空気を読む」ことに怯えすぎたことが今回の騒ぎを大きくした面があります。
 大事なことは、だれもが自分の好きな映画を観ることができ、その映画が好きでない人とも自由に議論ができる社会を創ることです。
 今回の軽挙・愚挙・暴挙を、禍転じて、そういう絶好の機会とするよう、みんなで努力しませんか。
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