日本のプロ野球の2009年度シーズンが4月3日に始まりました。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が2連覇! で盛り上がった余波の中での開幕です。
私も、前回のWBC同様、テレビの前で日本代表を応援していました。プエルトリコやベネズエラといったカリブの強豪チームと日本代表の試合がなかったのは残念でしたが、アメリカ移動後の第2ラウンド、決勝ラウンドでの度重なる韓国戦では、テレビ画面に向かって歓声や悲鳴を上げることも。
そんな私が言うのも何ですが、WBCを報じる日本のマスメディアは騒ぎすぎ。
3月5日の東京ラウンド開始から同月24日のロサンゼルス・ドジャースタジアムでの決勝戦まで、連日「サムライ・ジャパンは命を賭けて戦い」に臨み、いずれも「絶対に負けられない」なんて、いくらなんでも酷だ。選手や視聴者ひっくるめて煽る姿勢からは、「大本営発表、いまだ健在」という言葉が浮かんできました。
本来、野球はもっとのんびりしたスポーツです。実際にスタジアムに足を運ぶと、その「のんびりさ」を体感できます。
現在、東京に住んでいる私は、ときどき神宮球場へ出かけます。試合観戦だけでなく、ビールやコーラ、ホットドッグなどを手に、デーゲームなら青空、ナイターなら夜空を見上げ、季節の風に身をゆだねる楽しみを味わうためです。
周囲を見渡せば、ネクタイを緩め、ビールを飲んで脱力しているサラリーマン風のおじさんや、初めて球場に連れてきたらしいガールフレンドに一生懸命、野球のルールを説明する青年。あるいは、意味もなく、客席の階段を駆け上がる、開放感に満ちた野球帽の少年たち。試合開始を待ちきれず、鳴り物を鳴らすライトスタンドを陣取る応援団も微笑ましい。こうした野球ファンのなかに身を置いていると、私は平和な気分に浸れるのです。
この点、東京ドームは苦手。屋根付きの閉じた空間には、「今日は球場にでも行ってみるか」とふらりと入れるような、ゆるい雰囲気があまり感じられません。
プロ野球のシーズンは長い。春から秋までの約7カ月間、12球団は互いに何度も試合を繰り返します。熱狂や興奮は優勝がかかった終盤戦、その後のクライマックスシリーズや日本シリーズまで待たねばならず、そこにいたるまでは「昨日は勝った、今日は負けた」とささやかに一喜一憂する日々が続きます。
野球というのは動きの少ないスポーツです。チームスポーツのわりに、基本はピッチャーとバッターの1対1の勝負だし、その2人とキャッチャーを除けば、残りの守備の選手7人はじっとボールの動きを見つめている。攻撃側にいたっては、バッター以外の8人は自分の打順がくるまでベンチで待っている。
野球のフィールドには広さの統一基準がありません。両翼の短い球場をフランチャイズにするチームのバッターはホームランを打ちやすく、広いスタジアムのチームのピッチャーは点が取られにくい。こんな不公平があるわりには、出場する選手は必ずバッターボックスに立てるという「機会平等」が保障されている。民主的かつアバウトにできているのです。
WBCやサッカーワールドカップ、あるいはオリンピックなど世界が注目する国際大会は、国内リーグの地味な試合の組み重ねの上に成り立っています。日常のリーグ戦はマスコミの演出の対象にはなりにくく、退屈な時間になることも珍しくありません。それでもリーグ戦が「もっている」のは、球場に集まった観客たちが醸し出す幸福感ではないか。でなければ、1試合約3時間、それを毎週5~6試合、年間130回以上も続けられるわけがないと私は思うのです。
日常からちょっと逃避したいなと思ったとき、球場へ足を運ぶことをおすすめします。
私も、前回のWBC同様、テレビの前で日本代表を応援していました。プエルトリコやベネズエラといったカリブの強豪チームと日本代表の試合がなかったのは残念でしたが、アメリカ移動後の第2ラウンド、決勝ラウンドでの度重なる韓国戦では、テレビ画面に向かって歓声や悲鳴を上げることも。
そんな私が言うのも何ですが、WBCを報じる日本のマスメディアは騒ぎすぎ。
3月5日の東京ラウンド開始から同月24日のロサンゼルス・ドジャースタジアムでの決勝戦まで、連日「サムライ・ジャパンは命を賭けて戦い」に臨み、いずれも「絶対に負けられない」なんて、いくらなんでも酷だ。選手や視聴者ひっくるめて煽る姿勢からは、「大本営発表、いまだ健在」という言葉が浮かんできました。
本来、野球はもっとのんびりしたスポーツです。実際にスタジアムに足を運ぶと、その「のんびりさ」を体感できます。
現在、東京に住んでいる私は、ときどき神宮球場へ出かけます。試合観戦だけでなく、ビールやコーラ、ホットドッグなどを手に、デーゲームなら青空、ナイターなら夜空を見上げ、季節の風に身をゆだねる楽しみを味わうためです。
周囲を見渡せば、ネクタイを緩め、ビールを飲んで脱力しているサラリーマン風のおじさんや、初めて球場に連れてきたらしいガールフレンドに一生懸命、野球のルールを説明する青年。あるいは、意味もなく、客席の階段を駆け上がる、開放感に満ちた野球帽の少年たち。試合開始を待ちきれず、鳴り物を鳴らすライトスタンドを陣取る応援団も微笑ましい。こうした野球ファンのなかに身を置いていると、私は平和な気分に浸れるのです。
この点、東京ドームは苦手。屋根付きの閉じた空間には、「今日は球場にでも行ってみるか」とふらりと入れるような、ゆるい雰囲気があまり感じられません。
プロ野球のシーズンは長い。春から秋までの約7カ月間、12球団は互いに何度も試合を繰り返します。熱狂や興奮は優勝がかかった終盤戦、その後のクライマックスシリーズや日本シリーズまで待たねばならず、そこにいたるまでは「昨日は勝った、今日は負けた」とささやかに一喜一憂する日々が続きます。
野球というのは動きの少ないスポーツです。チームスポーツのわりに、基本はピッチャーとバッターの1対1の勝負だし、その2人とキャッチャーを除けば、残りの守備の選手7人はじっとボールの動きを見つめている。攻撃側にいたっては、バッター以外の8人は自分の打順がくるまでベンチで待っている。
野球のフィールドには広さの統一基準がありません。両翼の短い球場をフランチャイズにするチームのバッターはホームランを打ちやすく、広いスタジアムのチームのピッチャーは点が取られにくい。こんな不公平があるわりには、出場する選手は必ずバッターボックスに立てるという「機会平等」が保障されている。民主的かつアバウトにできているのです。
WBCやサッカーワールドカップ、あるいはオリンピックなど世界が注目する国際大会は、国内リーグの地味な試合の組み重ねの上に成り立っています。日常のリーグ戦はマスコミの演出の対象にはなりにくく、退屈な時間になることも珍しくありません。それでもリーグ戦が「もっている」のは、球場に集まった観客たちが醸し出す幸福感ではないか。でなければ、1試合約3時間、それを毎週5~6試合、年間130回以上も続けられるわけがないと私は思うのです。
日常からちょっと逃避したいなと思ったとき、球場へ足を運ぶことをおすすめします。
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ここは「マガジン9条」のブログです。「マガジン9条」とは、05年の3月に立ち上がった週刊のウェブマガジン。「憲法9条」のことを中心にさまざまな記事を掲載しています。このブログは、その「マガ9」の編集に関わるスタッフたちよって綴られる日々のあれやこれやです。「マガ9」の更新情報や、編集からこぼれてしまった情報などもこちらで紹介していきます。
●スタッフ紹介・・・・
水島さつき)
編集作業と事務局の仕事、それから週一のメルマガ担当。時々、「この人に聞きたい」インタビューや対談、ルポなどもやってます。年齢は秘密です。趣味は、猫を可愛がること。
コルヴィッツ)
「世界から見た今のニッポン」へのコラムを集めるべく、友人知人関係を越えて、ネットの海を遊泳しています。気分転換にやるのは、深夜にロックをヘッドフォンで聴いて踊ること(もちろん誰も見てないところで)。
想起来)
(シャンチーライと読んでください。中国語で「思いつく」)「マガジン9条」創刊以来の関わりですが、今は特に担当はありません。関心があるのは、肩こり、眼精疲労、腰痛をどう治すか。北京五輪に行くかどうか、迷ってます。好きな食べ物は、りんごとおせんべい。
アンドレ)
2m近い身長に120キロの体重をもち、どこからどう見ても体育会系、が、まったく運動をしたことがないオタク中年サラリーマン35歳。埼玉県在住。マガ9のアクセス向上主任。好みのタイプは音無響子。
図案チーム)
デザイン、イラストを担当の4人チーム。マガ9のページデザインには、読みやすさ、明るさ、ばかばかしさ、正直さ、テキトーさを心がけています。
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