忍者ブログ
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コルヴィッツ081105私はマルクスの「資本論」を初めの20ページくらいで挫折したくちです。マルクス主義なるものについて語る資格はありませんが、マルクスの功績は世界の構造を「国と国」という縦割りではなく、「資本家と労働者」という輪切りにしてみせたことにあるのではと思っています。だから、世の権力者による弾圧や嫌悪の対象になる。社会主義を標榜する国だって同様です。

先週、久しぶりにドイツ(ベルリンとデュッセルドルフ)へ出かけてきました。写真は旧東ベルリンの中心地にある「マルクス・エンゲルス広場」に立つ(座る)「共産党宣言」の共著者です。

ベルリンの壁崩壊後、東ドイツにあった社会主義ゆかりの地名(たとえば「レーニン通り」とか「コムソモール広場」)はことごとく変更されたものの、マルクスは19世紀のドイツの思想家。東西ドイツを問わず、堂々と地名になっています。

ただ、ドイツ統一のころ、このどことなくユーモラスな像の下の方にこんな落書きがありました。

万国の労働者よ、ごめんなさい!

有名なフレーズ「万国の労働者よ、団結せよ!」のパロディですが、世界に金融危機が広がっているいま、ドイツではマルクスへの関心が高まっているとか(日本での「蟹工船」ブームに近い?)。

滞在中、下がり続けていた自動車大手フォルクスワーゲンの株価が一気に急騰し、一夜にして世界最高の時価総額を記録しました。同社の株価が底をついたとみた投機家が「買い」に走ったのでしょうか。資本主義云々どころか、競馬や競輪よりずっとプリミティブな博打のように見えます。

そもそも西ドイツの企業には、労使が協調して経営に関与する伝統がありました。「コンセンサス社会」ともよばれた企業文化は英米の株価至上主義とは一線を画していたのですが、1990年以降、ドイツ経済は世界の金融市場に深く組み込まれていったようです。その結果、今回の危機の金融機関へのダメージは思った以上に大きく、ドイツ国内の大手銀行は政府に公的資金の申請をしています。

金融危機の影響が比較的軽微なのが旧東ドイツ地域。同地域では、旧東ドイツ政権党の流れを汲む左派党が多いからというわけではありません。ただ、旧の東西を問わず、ドイツの多くの人々は、もともと「金が金を生む」資本主義を疑問視していました。

モノづくりの国の頑固な職人気質にカジノ的な経済は似合わないということでしょう。ドイツ人のそんな面に関心のある方は、ぜひ映画「グッバイ、レーニン!」をご覧下さい。





PR
Comment※コメントは承認制とさせていただいてます。
お名前:
URL:
メール:
文字色:
タイトル:
コメント:
パス:
Trackback
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
AboutUs
マガジン9条編集部
magazine9
ここは「マガジン9条」のブログです。「マガジン9条」とは、05年の3月に立ち上がった週刊のウェブマガジン。「憲法9条」のことを中心にさまざまな記事を掲載しています。このブログは、その「マガ9」の編集に関わるスタッフたちよって綴られる日々のあれやこれやです。「マガ9」の更新情報や、編集からこぼれてしまった情報などもこちらで紹介していきます。
●スタッフ紹介・・・・
水島さつき)
編集作業と事務局の仕事、それから週一のメルマガ担当。時々、「この人に聞きたい」インタビューや対談、ルポなどもやってます。年齢は秘密です。趣味は、猫を可愛がること。
コルヴィッツ)
「世界から見た今のニッポン」へのコラムを集めるべく、友人知人関係を越えて、ネットの海を遊泳しています。気分転換にやるのは、深夜にロックをヘッドフォンで聴いて踊ること(もちろん誰も見てないところで)。
想起来)
(シャンチーライと読んでください。中国語で「思いつく」)「マガジン9条」創刊以来の関わりですが、今は特に担当はありません。関心があるのは、肩こり、眼精疲労、腰痛をどう治すか。北京五輪に行くかどうか、迷ってます。好きな食べ物は、りんごとおせんべい。
アンドレ)
2m近い身長に120キロの体重をもち、どこからどう見ても体育会系、が、まったく運動をしたことがないオタク中年サラリーマン35歳。埼玉県在住。マガ9のアクセス向上主任。好みのタイプは音無響子。
図案チーム)
デザイン、イラストを担当の4人チーム。マガ9のページデザインには、読みやすさ、明るさ、ばかばかしさ、正直さ、テキトーさを心がけています。
「マガ9」の本
「マガジン9条」に連載されていた記事から6冊の本が生まれました。※アマゾンにリンクしています。






広告:忍者ブログ、[PR]