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 最近何かとお騒がせなプロボクシング界だが、ここ1年以上、地道に取り組んでいる社会活動がある。

 「袴田事件」をご存じだろうか。

 41年前、静岡県で一家4人が殺害された事件である。1980年に刑が確定した元プロボクサー袴田巌死刑囚(71)が、冤罪を訴えて再審を求めている。1審の裁判官が今年になって「無罪の心証を持っていた」と告白したので、印象に残っている方がいるかもしれない(事件の概要は「はけないズボンで死刑判決-検証・袴田事件」〈現代人文社〉が分かりやすい)。

 「二つの拳だけを信じて戦ってきたボクサーが、刃物で人を傷つけるはずがない」「四角いリングで戦ったボクサーとしての誇りがある」。袴田死刑囚は以前、ボクサー仲間にこんな手紙を寄せたという。

 先輩ボクサーの「誇り」を取り戻したい--。ボクシングジムの若手会長の思いが東日本ボクシング協会を動かし、その後、日本プロボクシング協会に支援委員会が発足した。会長選挙によるゴタゴタを乗り越え、支援活動は継続している。

 昨年6月以来、輪島功一、大橋秀行、ファイティング原田ら大勢の元世界王者がリングに上がって観客に支援を呼びかけたり、最高裁に再審開始の要請書を出したりしてきた。今年9月の呼びかけにはタイトルマッチを間近に控えた内藤大助の姿もあった。それに呼応して、一時は途絶えていた袴田事件をめぐる報道も随分と増えてきた。元裁判官の告白には、こうした動きに触発された面が多分にあった。

 何より、袴田死刑囚がこの間、3年8カ月ぶりで面会に応じた。その後もコンスタントに姉や支援者らに会い、ボクシングの話に興味を示しているという。一時は拘禁反応という精神障害が心配されたが、最近面会した人は「返答は多少飛ぶけれど、会話を半分以上は理解している。外の人と会って話すことで回復していくはずだ」と印象を話す。

 犯行時に着ていたというズボンは、袴田死刑囚には小さくてはけない。刃渡り13センチの小刀だけで、4人を殺害できるのか。最近の鹿児島や富山の冤罪事件でもそうだが(ましてや40年前である)、相当に強引な調べで「自白」を取られている。

 理不尽なことや被告の人権に目をつぶって、裁判所は死刑を確定させてしまった。疑問がたくさん残っている以上、それらを解明するために再審を始めるのは当然のことだろう。

 さて、ボクシング界。

 今度は来年1月に、袴田死刑囚の支援大会を計画した。現・元世界王者のスパーリングやトークショー、1審裁判官の講演を中心に、冤罪被害に遭ったボクサーのルービン・ハリケーン・カーター氏の招請や、袴田死刑囚への名誉チャンピオンベルト贈呈なども検討している。

 袴田死刑囚の弁護団は、再審請求を審理している最高裁へ年内に最終意見書を出す方針を決めており、世論の喚起に重要な役割を持つ大会になる。ぜひ盛り上げたい。
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